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700余年の時空を超えての邂逅

2021/7/24(土)

「準備が整った時に師は現れる」という。ただし、受け入れる用意が出来ている者だけに。
ということで、常に心身の門戸を開け放っているつもりの私は
数年とか10年とか、定期的なスパンで、その後の人生のレイヤーを丸ごと移し替えていくような
師だったり事象とふいに出会えてきた。
最近では能だ。
2019年の2月、たまたまつけたNHKEテレで「卒都婆小町」に魅せられ
それまで興味がまったくないどころか
嫌っていたくらいの能の世界に飛び込むことになったのは
以前の当日報に書いた通り。
闘病中も、点滴しながら能のCDを聞き、廊下に漏れぬ程度の音量(実際はバンバン漏れてたそうだ)で
謡の練習も毎日やった。
退院から3ヶ月後の昨年8月に稽古にも復帰。
秋には、能の発表会に初出演も決まっている。演目は「経正」で私はシテ役を仰せつかった。
もう俺には能ナシの生活はないなと思えるほどのハマり具合なれど、
最近、さらに奥の院の扉が開かれたのだ。
それはこの、岡田利規「未練の幽霊と怪物、挫波/敦賀」との出会いによるもの。
「未練の幽霊と怪物」は、演劇作家である岡田氏が、能のフォーマットを利用した音楽劇の脚本集で、
シテ、ワキ、アイ、地謡など、能と同じ配役と舞台構成でストーリー展開される。
演劇だから、本来は見てものを言うべきだろうが、
能を習っている私には、ページを追うだけで
この世界観とストレスなくシンクロできた。
それでわかったのだ、私の楽曲は、きわめて能的であると。
まず、一人称で歌い通されることがなく、途中で突然二人称、第三者の視点に変わることがある。
それから地謡っぽく、情景や現在地を示す地謡的なフレーズが随所に織り込まれている。
また、「死者との対話」もある。さらに死者は時間軸を飛び越えて行き来する。
などなど。
岡田さんもそうだったように(たぶん)能のフォーマットによって私ははじめて
自分の楽曲の特異な構成を客観的に「理会」できたのだ。
これはすごいことである。初めて自分の姿を鏡で見たゴリラもこんな感じか?
私はなかなかに優秀な音楽家であることもわかった。
フォーマットが見えれば、もう迷うことはない。
そこへアイデアをはめ込めればいい。
ライブやるぞ。
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プロフィール

三代目春駒/小林カズヒコ

Author:三代目春駒/小林カズヒコ
マーケティングコンサル、童話作家、声優、ミュージシャン、武術師範(心体育道小林道場師範)など、多方面のトップで活躍するハイブリッド系パフォーマー。能の謡(うたい)を京都在住の観世流シテ方能楽師、杉浦豊彦先生に師事。ちなみに「春駒」とは、芸者として博多で活躍していた祖母「春駒」の芸号である。2019年末、悪性リンパ腫のステージ4と診断され、半年間の抗がん剤投与を経て翌年5月に寛解。

西瀬戸メディアラボHP
http://www.nishisetomedia.jp/

三代目春駒オフィシャルHP
http://www.harukomania.com/

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