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長~い点滴時間を有効に過ごすための秘策

2020/6/21(日)

私の半年に及んだ闘病生活を時系列で振り返るシリーズ、その10。

「治療プログラムには100%従いつつも
受け身になりすぎないための闘病スタイル:episode10」
~長~い点滴時間を有効に過ごすための秘策~

抗がん剤の副作用はいちいちシンドイし、
無菌室のレギュレーションも煩雑で制約だらけだということが
これまでの連載でご理解いただけたと思う。
また、その中で自主的に行う筋トレも
決して生半なものではない。
だが、じっとするのが苦手な私にとって
一番忍耐を要したのが、最長6時間にも及ぶ「点滴」だ。

悪性リンパ腫の抗がん剤治療における点滴投与は、
おおまかに三種類に分類される。
まず、抗がん剤。
猛毒ゆえ慎重に取り扱うことが要求されるので、
間違えにくいよう赤や青など
ド派手な着色が施されているものが多かった。
次に、抗生剤。
免疫力が落ちて発熱した場合など、
体内の細菌の繁殖を抑えるのが目的。
そして、血液や血小板減少時の輸血。
抗がん剤の副作用で血液生成もダメージを受けるのだ。
ちなみに血小板が減った状態で何かの拍子に傷を負えば
血が止まらなくなる場合もある。
いずれも点滴投与は一本で済むことはほとんどなく
たとえば発熱時などは、
朝6時、昼3時、夜9時と
1日三回の抗生剤点滴をしなければならないし
この合間に輸血が加われば
トータル6時間は覚悟しなければならない。

第4クールの抗がん剤投与も過酷だった。
いつもの腕からではなく、
右の鎖骨からカテーテルを通し
24時間体制で2本の抗がん剤を同時に、
しかも2日間ぶっ通しで投与。
はじめて逃げ出したいと思った(笑)。

結局、半年間でトータル400本くらい点滴を打たれ、
太い血管が自慢だった私の腕も、
後半になると、針を刺せる場所がほとんどなくなるほど
ボロボロ&穴だらけに。

さて、逃れる術のない長時間の点滴中、
たった一日ならまだしも
デジタルデバイスで音楽を聴く、
あるいは映像を見るだけでは、何ヶ月ももたない。
絶対にストレスがたまるに違いない、と予感した。
そう、ここでも「受け身」じゃダメなのだ。
私が考えた作戦は「学習時間にあてる」である。
私は昨年春から、
京都在住の観世流シテ方の第一人者、杉浦豊彦先生に
能の謡(うたい)をご指導いただいている。
そこで、パソコンに謡本(テキスト)を読み込ませ
その画像を横目で見つつ、
毎回録音していた稽古音源を聴き、
仰向けのまま繰り返し謡を吟じた。
もちろん、廊下に漏れないほどの音量で。
能の謡は音の空間認識感覚も鍛えられるので
楽しかった♪

また、契約している複数のシンクタンクから
毎月有料で送られてくる国際情勢やマーケティング情報の
レクチャー動画や音声も聴きまくったし、
著名な学者のオンライン講座も受講した。
世間からも菌からも(笑)隔絶された空間で
アカデミックな場と時間の創出、
なにより「学ぶ」という積極姿勢あってこそ、
私の精神の均衡は保たれたようにも思う。
外国語も面白いだろうし、
興味のあるものならなんでもオーケー。
落ち込むヒマがないほどに鍛え、学べばいい。
こういう環境であっても、点滴でがんじがらめでも
やれることは探せば必ずある。
そして、
自分は1mmでも進化しているんだという自負が
つまらぬ被害者意識をも消し去ってくれるのだ。
(つづく)
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プロフィール

三代目春駒/小林カズヒコ

Author:三代目春駒/小林カズヒコ
マーケティングコンサル、童話作家、声優、ミュージシャン、武術師範(心体育道小林道場師範)など、多方面のトップで活躍するハイブリッド系パフォーマー。能の謡(うたい)を京都在住の観世流シテ方能楽師、杉浦豊彦先生に師事。ちなみに「春駒」とは、芸者として博多で活躍していた祖母「春駒」の芸号である。2019年末、悪性リンパ腫のステージ4と診断され、半年間の抗がん剤投与を経て翌年5月に寛解。

西瀬戸メディアラボHP
http://www.nishisetomedia.jp/

三代目春駒オフィシャルHP
http://www.harukomania.com/

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